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朝青龍、琴欧州に負ける

勝ち続けていた朝青龍が負けました。
相手がブルガリア出身の琴欧州だというのがまたすごい。
一時代を築いた若貴兄弟の美談が崩れた後だけに、印象的です。

観る分には面白く、日本の伝統文化の一つと言われている相撲ですが、
やろうとする日本人は減り続けています。
そこに外国人が参入してきました。
日本人でも忍耐が必要な古い社会ですから、パイオニアの高見山、
今の東関親方の苦労はいかばかりであったかと推察します。

しかし、外国人力士が増えてくると、
横綱審議会委員から苦情が出るようになりました。
「国技である相撲の美意識に合わない」というものです。

では「相撲の美意識とは何か」というと、これが曖昧なんですよねぇ。
具体的には明確に説明できない。
その曖昧なところがまさに日本的と言えましょう。
要は「気に入らない」のではないかと、私は睨んでいますが(笑)

やがて外国人力士から横綱が出るようになり、
現実が美意識を追い越したため?!、そういう声は下火になりました。
今や外国人力士の活躍は、大相撲の特徴の一つとなっています。

外国人力士の出身国も、世界情勢を反映して様変わり。
最近は旧社会主義国家の出身者が頑張っていますね。
琴欧州もその一人です。

「伝統文化の継承に血は関係ない」というのが私の考えです。
ドイツではマイスター制度が衰退してきて、日本の若者が修行しています。
日本旅館の女将になっているアメリカ人もいます。
伝統文化も開かれてこそ、生き延びていくというものです。

伝統文化が同じ血によって連綿と受け継がれてきたということ自体、
実は錯覚ですからね。
文化は本質的に影響を与え合って混ざるものであり、
純潔主義とは相入れません。
万世一系というのは有り得ないのですよ。

伝統は後からつくられるものです。
純血主義は社会を閉じることに通じます。
日本という純粋な国が続いてきたというのも神話です。
多様な血や文化を受け入れる開かれた社会こそが、
これから力を得ていくでしょう。
「日本だけが素晴らしい」「在日コリアンは出ていけ」というような排他的な言動は、
自分で自分の首を絞めるようなものです。

参考図書「伝統とは何か」(大塚英志著、ちくま新書)
by MYP2004 | 2005-07-18 00:05 | リビングから見た社会
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