久々に新世界へ行きました。
地下鉄堺筋線の恵比寿町を降りて、北へ行くと電気の町・・日本橋(にっぽんばし)・・南へ行くと阪堺電車の恵比寿町駅があって、その東に通天閣への商店街が伸びています。 このあたり一帯を新世界と言います。 庶民的と言われる大阪の町でも、最も庶民的な香りがする町です。 このあたりはまた、もっとも大阪らしい観光地でもあります。 通天閣、新世界商店街、天王寺動物園、フェスティバルゲート・・およそスマートと言うには程遠いこれらの施設は、大阪の熱と個性を発揮して余りあります。 その新世界で、僕は久々に串カツを食い、大量の昼酒を飲み、寿司を食いました。 連れていってもらった店が良かったので、どれも満足する味とボリュームと・・値段でした。 ほろ酔い気分で、友達と別れ、折角だからとあたり一帯を散歩しました。 新世界も昔から比べると随分、きれいになりました。 きれいになった分、かつてのエネルギーはあまり感じられなくなったような気もします。 さて、実はこの場所は知る人は知る・・大阪のもうひとつの顔・・ 釜ヶ崎のすぐ近くでもあります。 例えば、地下鉄動物園前駅や花園町駅、JR新今宮駅・・一帯どれくらいの路上生活者がこれら駅をねぐらにしているのか・・ 道を歩けば、嫌でもそう行った人たちの姿が目に飛び込んできます。 新世界から一歩南へ・・大阪環状線の線路を超えるとそこは釜ヶ崎です。 労働者の町・・そう言えば聞こえは良いですが、日雇い労務者が多数暮らす町です。 この人たちにとって、今年の冬はことのほか、寒い冬でした。 町はきれいに、立派になっていきますが、彼らの住める場所はどんどん少なくなっていきます。 仕事もかつてのようにたくさんあるわけではありません。 例えば、公共工事の縮小や廃止はこういった人たちの生活を直撃してしまいます。 仕事があれば「ドヤ」と言われる宿泊所で休むことも出来ます。 たまには串カツを食うことも、酒を飲むこともできるでしょう・・・仕事がなければ、寒さを少しでもしのげる場所を探さねばなりません。 僕たちはともすると、こういった人たちを視界から離そうとしてしまいがちです。 けれども、もう一度ここで考えてみて欲しいのです。 だれもが、路上生活者にならないと言う保証はないのです。 もしも自分がそうなってしまったら・・ そう考えると、ないがしろに出来ない問題ではあります。 この地域にはさらに、表立って書く事の出来ない世界・・飛田新地の存在もあります。 大都市とは、本来、混沌としたエネルギーの坩堝である・・ ガード下を歩いていると、そんなことが頭に蘇ってきました。 何故かすれ違うおじさん連中の多くが、手に食パンを3枚ずつ、持っています。 誰かが食パンを配っているのだろうか・・ でも、寒さをしのぐにはなにか暖かいものが・・・要るだろうに・・ 僕は、この町で出会った詩人の言葉を思い返していました。 命・・・東淵修 すきまもない命を すきまもないところに あなたは横になっている 生きていくのには 立って四分の一畳 座って二分の一畳 寝て一畳 命を粉ごなにして 一畳の間に閉じこめて 息を殺していること byこう@電車おやじ
by MYP2004
| 2006-03-30 18:53
| 神戸舞子から世間を見ると
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