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戦前への回帰? 「功名が辻」のワンシーン

先日、たまたまテレビをつけたら、
NHK大河ドラマ「功名が辻」が放送されていました。

その日の筋書きは、こうです。
題して「妻の覚悟」。
山内一豊が出征している時に、ある家来の妻が亡くなる。
しかし、その妻は夫が戦う気持ちを乱さないため、自分の死を隠すように頼む。
山内と家来は帰国した時、はじめて家来の妻の死を知る。
その姿を見て、山内の妻・千代は武人の妻のあるべき姿を見る。
そんな内容でした。

最後のシーンは、
またも出征する夫たちに、
「必ず生きて帰ってきてください」と笑顔で見送る女たちと子どもたち
というものでした。

私、思わず、「デジャビュ!」と叫んでしまいました。

「この光景、何かで見たことある!」

そう、戦時中の光景です。
戦場にいく男と、それを見送る銃後の女。
その光景そのものですよ。

「功名が辻」が描く世界は、戦前の姿そのものじゃあないか。

by兵士シュベイク
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by MYP2004 | 2006-02-23 23:10 | サラリーマンのひとりごと

お金 ― III タックスヘイブンと平和

世界にはタックスヘイヴンと呼ばれる地域があり、タックスヘイヴンでは極度に法人事業税率、投資利益税率が低いかあるいはゼロである。

世界の金融資産の60%以上がタックスヘイヴンにある、と副島隆彦は批判的に指摘している。

私はむしろ肯定的にタックスヘイヴンを考えてみる。

主なタックスヘイヴンはカリブ海、イギリスの西、ヨーロッパ内陸部に位置している。かつてカリブ海にはキューバ危機、イギリスとアイルランドの間には紛争、ヨーロッパ内陸部には数え切れないほどの戦争と紛争があった。

お金が集中する地域では、戦争がほとんど起こらない。誰でも戦争で資産が焼かれると困るからだ。タックスヘイヴンは戦火を消す濁り水といえる。

実は日本も長らく部分的にタックスヘイヴンだった。かつて、日本では株の売買で得た利益に課税されていなかった。そのため、世界中から日本に資金が流れ込み、平和憲法と組み合わさった効果で、日本の経済成長が維持されると同時に、平和が守られた。代わりに、当時は個人所得税が今より高めだった。

武力だけで平和を維持しようとするのは愚策である。アメリカも首都防衛にタックスヘイヴンを役立てている。

日本は憲法第9条を弄繰り回そうとする前に、株取引への課税を止めたり、その他の方策を駆使して、世界からお金を呼び込む努力をするべきなのだ。

by Leoneed, also known as Lexar
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by MYP2004 | 2006-02-19 14:32 | 経済の視点から

複雑な心境の神戸空港開港

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神戸空港開港!
さて、このブログでも折につけ神戸空港の話題を出していますので、今日、2月16日、開港の日にこれを書かないてはないということで・・書かせていただきますね。
神戸空港の1番機は元気良く、雨模様の空の中へ突っ込んでいきました。
1番機の乗客は雨の神戸を眺めるまもなく・・雲の中へ・・
さて・・その1番機、実は昨夜には空港に到着して、整備の上、今朝の出発をするはずでした。
しかし天候不良・・
冬の神戸には六甲おろしが吹き荒れます。
昨夜は風はそれほどではなかったものの、雨と霧の強烈な天候不良の結果、ボーイング777は昨夜のうちに神戸空港に着陸することができず、関西空港で夜を明かしてから今朝早く神戸にやってきて慌しく準備をしたものでした。
どうも前途多難な幕開けで、これでは先が思いやられます。
神戸市民としてはこの空港には何がなんでも黒字になって安全運行してもらうしかないわけです。
初日にその安全運行に不安が残る出発をする・・これではこの先どうなるの・・?

空港の経営も初日から火の車です。
例えば、個人商店が、運転資金なし、開店のための工事費の借金も返すあてもなし、さらに、営業収入も、最初のもくろみの半分以下しか得られない・・
こうなったら・・どうなるでしょう・・
あまりに無謀なその計画で商店を継続して営業することはできるでしょうか?

神戸空港の収入の最大たるものは航空機の着陸料です。
けれども、航空機を呼びこむために着陸料を当初予定の半額に下げ、やっと集まった航空機は更に着陸料の安い中型機ばかり・・次に重要な収入源である飛行機利用客の駐車場も新幹線から乗客の転移を目指すために航空機利用客は無料!
年間320万人程度の利用は見込めるとは言っても、良く考えれば1日の利用者は一万人以下・・
これでは地方都市の駅並の利用者しかないことになり(因みに市内の舞子駅利用者は二万人です)テナントの経営すら成り立つやらどうやら・・
更に空港建設費は空港島の分譲で賄うことになっていたのですが、販売価格を値下げしても、土地は殆ど売れず、今もって販売できたのは僅か0.2%・・
つまり、この空港は運転資金も、借金の返済も、必要な売上もないという状態で開業してしまったわけです。

少なくとも市民に対し「一切税金の投与はない」と断言する市議会と市長ですが、これで税金投入の必要が出てきたら、どう釈明するのでしょうか?
どう責任を取られるのでしょうか?

神戸市民としてはこの馬鹿げた空港ではあるけれども、出来てしまった以上・・使われ、愛され、儲けてもらわないといけないわけで・・
甚だ複雑な心境ではあります。
byこう@電車おやじ
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by MYP2004 | 2006-02-16 10:38 | 神戸舞子から世間を見ると

紀子さんと雅子さんとジェンダー

誰もが驚いた三人目の政治的?妊娠で、久し振りに紀子さんが脚光を浴びています。朝日は朝刊の一面に「笑顔やわらか」という言葉を添えて写真を載せていましたが、こうしないと読者のニーズに答えられないんでしょうかね・・・。

それにしても、久々にとっくりと見た紀子さんの表情が、美智子さんにそっくりになっていて驚きました。見事に皇室に適応しましたね。適応できず、そのまんまの適応障害になった雅子さんとは対照的です。

紀子さんは社会に一度も出ることなく、学生のまま結婚して皇室に入りました。男女雇用機会均等法一期生として、総合職女性のシンボル的生き方をしていた雅子さんとの違いはここにあります。20代をどう過ごすかによって、女性が大きく変わるということがよくわかりますね。

古来、女性は環境適応力に優れていると言われてきました。私が学生の頃までは、半ば蔑みのニュアンスを込めて、男達はそう公言していたものです。「だから忍耐強い」とか、「単純労働に向いている」とか。女性自身も、それを美徳のように思っている節がありました。

でも今、雅子さんを見ていてはっきりわかります。社会経験によって培われた強い自我は、性差を緩和させるのです。つまり、男女は共通体験によってかなり近づくということです。性差は無いわけではないけれど、私たちが思い込んでいるほどではないし、増してや脳の構造による絶対的なものでもない。個人差が大きいということです。

ジェンダー・フリーという造語はちょっとイデオロギー的で、セクシュアリティーに対する配慮に欠けていました。その弱点をいま突かれているわけですが、だからといってこれを攻撃して否定するのも、現実から目をそらしているという点では同じでしょう。

性差を異性の前で演出するのは重要なテクニック(笑)。それだけでも、性差が社会的文化的な産物だということがわかります。最近はホモ・セクシュアルや性同一性障害も少しずつ理解されてきて、性差絶対主義は前提が崩れています。

要は性差を大事にして生きたいか、それよりも個人として生きたいかという問題。で、個人として生きたい人を認めるというのが、ジェンダー・フリーの本来の意味なのでしょう。社会学の教科書にも載っている学術用語であるジェンダー問題を追放しようなんて、やはり時代錯誤だと思いますが。 by G2
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by MYP2004 | 2006-02-11 15:03 | リビングから見た社会

お金 ― II

資本家が労働者を雇い、自動者が生産され、労働者が自動車を買ったとする。お金は、資本家 → 労働者 → 資本家という形で動いたことになる。

このサイクルでは、お金についてはゼロサムだが、労働者の生活は支えられ、自動者が生産されている。

お金は人と人を結びつけ、何かを生産さしめる。生産の積み重ねが、人類の文明だ。

一般論として、お金がうまく流れるほど、生産もうまく行く。

アメリカの共和党の保守層は、所得税フラット17%を主張している。所得の額、個人法人を問わず、税率を17%にせよという主張だ。

これでうまく行くのかどうかといえば、うまく行かない。

絶対の原則は、個人所得税率よりも、法人事業税率を低く設定することだ。高額所得労働者が高い税率にうんざりしなければ、起業への動機が強まらない。起業し、他の労働者の生活を支える役割を果たして行くことを決めた人はそれなりに報われるべきだ。

成功した労働者が実業家になり、他の労働者を支えるように、成功した実業家は投資家になり、他の実業家を支える。そしてここにも税制上の調整が必要で、そのため、投資収益への課税率は、法人事業税率より低く設定されるべきだ。

さて、投資家Aが100万円で株を買い、それを投資家Bに200万円で売ったとしたら、株を発行した企業に何らかの恩恵があるだろうか? 実は、企業が追加出資を受けないかぎり、直接的な恩恵はゼロだ。企業が最初に市場から調達したお金の額は、株価の上昇で増えたりはしない。

多くの投資家は安全な株を好むので、経済がうまくいっていないときに、投資家は新しい企業の新株を引き受けたがらないが、企業が本当に資金を必要とするのはそういうときだ。

新株への投資からの利益に対して、課税率をゼロにすれば、新たに起業し、労働者の生活を背負う起業家にとっては大きな福音となる。

以上をまとめ、現在に日本の税制の欠陥を補完すると、

・個人所得税率 累進最高50%、負の所得税制度つき
・法人事業税率 フラット40%、損失繰越あり
・一般投資税率 フラット20%、損失繰越、損益相殺あり
・新株投資税率 フラット0%

となる。
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by MYP2004 | 2006-02-09 00:11 | 経済の視点から

丸山眞男「自己内対話」のすすめ

丸山眞男氏の「自己内対話」(みすず書房)を読んでいます。

丸山氏が亡くなって、すでに10年を過ぎましたが、氏の言説の重要性は衰えることはありませんね。

今日は、氏の言葉を二つほど、紹介しましょう。


  国際交流よりも国内交流を、
  国内交流よりも自己内交流を!
  自己自身のなかで対話をもたぬ者が
  どうしてコミュニケーションによる進歩を信じられるのか

  自己内対話は、自分のきらいなものを自分の精神のなかに位置づけ、
  あたかもそれがすきであるかのような自分を想定し、
  その立場に立って自然的自我と対話することである。
  他在において認識するとはそういうことだ。


最近の出来事は「訳がわからない」とよく言われますね。
そういう出来事全てを肯定するわけではないのですが、
少し想像力を尽くして、相手の立場に立って物事を考えてみてはどうでしょう。
そして、その立場から、「訳がわからない」と思う自分自身と対話させてみるのです。
そういう努力の積み重ねの果てに、たとえ一致点が見出せなくても、
相手との共感が生まれるかもしれない。
音楽用語でいうと、「倍音による共鳴」です。
現代の悲劇の要因は、一つには「断絶」がある、というのが筆者の考えです。
その断絶を乗り越えるために、他人に期待するのではなく、
自分自身の中で、「自己内対話」をしてみる。
そこに、「新たなる希望」が見えてくるのではないでしょうか。


最後にもう一つ、丸山眞男氏の言葉を紹介します。


  戦争は一人、せいぜい少数の人間がボタン一つ押すことで一瞬にして起せる。
  平和は無数の人間の辛抱強い努力なしには建設できない。
  このことにこそ平和の道徳的優越性がある。


by兵士シュベイク
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by MYP2004 | 2006-02-05 01:15 | サラリーマンのひとりごと

11年目の神戸

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震災から11年・・昨年もこの時期に現状を書きましたが、1年でさほどの進展は見られず、11年前の被災地やその周囲の景気は沈滞したままです。
百貨店の売上こそ、前年を上回り始めたようですが、鉄道利用客はここ数年横ばい、もしくは減少・・高速道路の利用も同じ状況です。
僕は昨年、久しぶりに東京へ出て、まさにお上りさんになった気分でした。
それは、僕が頻繁に東京へ出かけていた20年ほど前とのあまりの違いに愕然としたというのが正しいのかもしれません。
驚いたのは新宿や渋谷の人の多さ、いや、それどころか、休日の早朝の電車、下り方向への太い乗客の流れ・・
神戸で休日の早朝、例えば姫路方向への電車が満員になるなんて今では考えられない状況です。
そして、夕方の新宿のどこからともなく溢れるように湧きあがり、どこへともなく消えていく人の波・・
こう書けば東京在住の方に笑われるかもしれませんが、自分の住む町を少なくとも都会であると信じ、個性的でお洒落であると誇りに思っている神戸市民も東京へ出ればただの田舎モノに過ぎない・・そう感じたわけです。

しかし、やはり考えてみると震災前の神戸・・アーバンリゾート都市宣言をし、積極的にウォーターフロントを開発し、夢のような大都会を目指していた頃の神戸には、今とは比べ物にならないくらい人が溢れていました。
三宮センター街・・ゆったりとしたアーケード街ですが、ここの路面が見えないくらいの人の波は震災後、すっかり減ってしまい、今やゆったりと歩くことも出来ると言う皮肉な現状・・
あるいは阪急三宮駅北側の飲食店街には夜になると人が溢れ、店の前にはどこも長蛇の列・・人気の店では時間制限をかけられる事もしばしばあると言う・・あの賑わいは神戸からすっかり姿を消してしまいました。

震災から11年・・今月にはついに神戸空港が開港します。
最初に乗り入れる27往復の旅客機は、神戸にどんな賑わいを運んでくれるでしょうか?
けれどもまた、この空港の経営が失敗すると言うことになると、それだけ神戸市民の負担は増大する危険性もはらんでいて、既に分譲地が売れない、あるいは着陸料を値下げせざるを得ない、あるいは駐車料金を無料にするしかないと言った・・誤算は表面化してきています。
三宮から近いとはいえ、神戸空港までは新交通システムで20分弱・・快速の運行もあると言うことですが、それは毎時2本程度・・地下鉄がニュータウンや郊外と直結する新神戸駅の新幹線と比べると利便性にも難があると言わざるを得ません。

震災復興を進めながら、それでもこれだけはと進めた神戸空港・・
そして、ようやく表面上は復興したかに見える町・・
けれども、そのニュースの影で、未だに自分の土地が更地のままで家を建てられない市民や、住宅ローンのほかにマンションや住宅の補修ローンに苦しむ市民は蚊帳の外において行かれようとしています。
家族や親戚、友人をあの震災で亡くした心の隙間は、それこそ埋めることが出来ないものでありましょう。
町の景気は回復せず、震災のあとで苦しみぬいて撤退した地元資本のあとに、威容を誇る中央資本のビル・・
神戸らしさが失われて当然の、中央資本による復興か進出か分からない・・現在の人目では復興・繁栄に見える状況の中・・震災被災者は置いてけぼりを食い、昨年の偽装マンション住民には震災被災者に比べることも出来ない手厚い公的補助・・
神戸の繁華街が震災前の人並みを取り戻すことは出来るのだろうか・・・
ただの地方都市・・何もかも東京と似た町になっていく神戸市民としては複雑な心境ではあります。
震災は今や1月17日だけの物語として、その日だけのものとして記憶されるようになっていくのでしょうね・・
byこう@電車おやじ
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by MYP2004 | 2006-02-01 10:15 | 神戸舞子から世間を見ると