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ロンドン警察、無関係なブラジル青年を誤認射殺

ロンドンで、テロとは無関係なブラジル人青年が誤認射殺されてしまいました。
その青年は制止を振り切って地下鉄に乗り込んだために、
至近距離から5発撃ち込まれました。
ジーンズ姿の私服警官に追いかけられて、
パニックになったのではないかと言われていましたが、
実は不法滞在だったらしいですね。
そんなことではないかと思っていたのですが。
大変な悲劇で声もありません。

この事について、みのもんたがテレビで「射殺は当然」だと言ったそうです。
そう考える人も多いでしょう。
イギリスでもそうらしいです。
下手に「人権」などと言ったら「テロに屈するのか」と言われる御時世ですから。

多くの人は恐らく、無意識のうちにこう考えているのだと思います。
「自分と家族を守るためには、多少の犠牲は仕方がない」と。
そこには、「自分は安全圏にいる」という前提があります。
果たしてそうでしょうか。

イギリスでそう考えているのは主に白人だと思います。
誤って射殺された青年は当初、南アジア系と報道されていました。
実際にはブラジル人だった。
つまり、白人には区別がつかなかったわけです。
色が浅黒いだけで容疑者になってしまう。
テロを恐れていた青年が射殺されるという悲劇は、こういう状況の中で起きました。
イギリス在住の非白人にとっては他人事ではないわけですね。

では、イスラム教徒に間違えられる心配のない白人は本当に安全圏にいるのか。
問題はここです。
ブレア警視総監は「射殺方針は変えない」と言いました。
「疑わしきは罰する」
これは、長い時間をかけ多くの犠牲を払って築いてきた、
近代社会の大原則を否定するものです。
絶句して当然の大問題です。
それを当たり前のように言うなんて、
いくら何も考えていないと言っても軽卒過ぎますよ。

自分は安全圏にいると思って言いたい放題言っていると、
回りまわって自分に還ってきます。
自由や人権は少数者から奪われていきます。
それはやがて社会全体に広がるというのが、歴史の教訓です。

それにしても、大義なきイラク戦争のもたらす惨禍は止まるところを知りません。
この事態を招いたのはイラク戦争の容認です。
私たち日本人は、もう一度ここから考えるべきでしょう。


 
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by MYP2004 | 2005-07-26 22:40 | リビングから見た社会

「ヒットラー 最期の12日間」

ドイツが戦後初めて正面からヒットラ−を描いたとして、欧米で大評判になった映画。渋谷のシネマライズで観ました。

ディテ−ルの積み重ねで「妄想の帝国」が崩壊していく様子を描き、ヒットラ−のみならず、周囲の人間たちの狂気と錯乱をもあぶり出してみせます。ヒットラーの周囲には知的な人間も少なくなかったという、意外な事実もよくわかります。

最大の悪役を等身大に描くことで、ヒットラ−と私たちとをつなぐ回路を示し、悪の権化として思考対象からはずされてきた問題を、今一度俎上に乗せることに成功しています。つまりヒットラ−は人間の姿をしたモンスタ−なのではなく、人間そのものであり、私たちもああなりうる可能性があるということですね。

しかも、私たちはこのような狂気を、現在もなお目の当たりにしています。ボスニアやルワンダで行われた民族浄化は、悪夢がまだ続いている現実を明らかにしました。ヒットラーのような人間は、条件さえ揃えばいつでも登場します。ボスニアにもルワンダにも小ヒットラーがいました。そういう意味では、極めて普遍的なテ−マを扱った映画といえるでしょう。

また、多くの人々が妄想の帝国を率いる絶対者を支持したことは、現代にも通じる社会病理です。最近は、「毅然とした姿勢で」強硬な発言をする政治家が好まれるようですが、こういうのが危ない。民主主義社会は、柔軟な対話に支えられているのですから。

日本人にとっては、自国の過去を顧みるのに最適の映画。面白いし、必見です。23日からは新宿武蔵野館でも上映されるそうです。

なお、私ごひいきのトーマス・クレッチマンも出ています。「戦場のピアニスト」で、主人公をかくまうドイツ人将校を演じていた俳優。旧東ドイツ出身のイイ男です(笑)。
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by MYP2004 | 2005-07-22 00:17 | リビングから見た社会

JR西日本の体質がまた・・

最初に、僕は元国鉄マンです。
今もJR車内のたくさんの友人があり、特に車両系統の話は良く伺っています。
その中で、今回、JR西日本が報道公開した各紙の記事におかしなものを感じましたので、ここで書かせていただくことにします。

以下は僕の個人サイトからの転載です。

JR西日本が計画中だった新型通勤電車・・321系が完成し、試運転を始めたニュースが各紙を飾っています。
いわく・・尼崎脱線事故を受けて、先頭車両に重心の低いモーター車両を使った。
これは大嘘で、JR西日本、またやったかと言う感じです。
というのは、この車両は4月時点で既に製造工程に入っており、252両全てを近畿車輛に発注済でした。
元々の計画が6M1T・・モーター車両が6両、付随車両が1両で、最近の電車にしてはモーター車両が異様に多いのですが、実は各車両、モーターの数は従来の半分、通常、電車はモーターつきの車両1両に4個のモーターを載せますが、これが2個なのです。
普通、電車は編成の半分程度をモーター付きにしますから、321系車両はモーターを分散させただけで、結局は従来の車両と大きく性能は変わらないわけです。
で・・実は4月25日時点で、最初の編成の一部が既に完成していて、6月には編成を揃わせて公開する予定だったのが、事故で延期になり、結局、車体の色を変えることだけの対策で出場させると言うのが真相です。
つまり、先頭車両をモーター車両としたのは事故対策でも何でもなく、只単に最初からそう言う設計だったのをそのまま、都合よく言葉を使っているだけなのです。
電車の設計変更は数週間でなど出来ません。
出来ないことをいかにもしたかのように発表する・・これはまたぞろ体質が如実に出てきてしまったということなのではないでしょうか?
で・・今回の新型車両投入は実は東海道山陽線の大幅なスピードアップのためです。
この路線にはたくさんの新駅が計画されていますが、これらの駅が全て完成するとどうしても電車の速度は落ちます。
そこでより高性能の車両で揃えることで、今と変わらない所要時間で走る計画なのです。
つまりはそれだけ運転士に要求されることは増えるわけで・・
しかも、この路線・・日本最高峰の高速通勤線区でもありますが・・この路線のATSはATS-Pとは名ばかりのATS-Pwです。
速度照査など、殆ど存在しません。
アブナイアブナイ・・そう思うのは僕だけでしょうか?

つまりは、かつての大本営発表の如く、JR西日本のおかしな発表を鵜呑みにして報道するマスコミ各社の努力のなさが、こういう問題のある記事を垂れ流すのではないかと考えるわけです。

画像は右が321系最初のイメージ図、左が変更後のイメージ図です。
ちなみに線路の幅がかなり広く描かれているような気が・・大汗。。

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by MYP2004 | 2005-07-21 09:57 | 神戸舞子から世間を見ると

朝青龍、琴欧州に負ける

勝ち続けていた朝青龍が負けました。
相手がブルガリア出身の琴欧州だというのがまたすごい。
一時代を築いた若貴兄弟の美談が崩れた後だけに、印象的です。

観る分には面白く、日本の伝統文化の一つと言われている相撲ですが、
やろうとする日本人は減り続けています。
そこに外国人が参入してきました。
日本人でも忍耐が必要な古い社会ですから、パイオニアの高見山、
今の東関親方の苦労はいかばかりであったかと推察します。

しかし、外国人力士が増えてくると、
横綱審議会委員から苦情が出るようになりました。
「国技である相撲の美意識に合わない」というものです。

では「相撲の美意識とは何か」というと、これが曖昧なんですよねぇ。
具体的には明確に説明できない。
その曖昧なところがまさに日本的と言えましょう。
要は「気に入らない」のではないかと、私は睨んでいますが(笑)

やがて外国人力士から横綱が出るようになり、
現実が美意識を追い越したため?!、そういう声は下火になりました。
今や外国人力士の活躍は、大相撲の特徴の一つとなっています。

外国人力士の出身国も、世界情勢を反映して様変わり。
最近は旧社会主義国家の出身者が頑張っていますね。
琴欧州もその一人です。

「伝統文化の継承に血は関係ない」というのが私の考えです。
ドイツではマイスター制度が衰退してきて、日本の若者が修行しています。
日本旅館の女将になっているアメリカ人もいます。
伝統文化も開かれてこそ、生き延びていくというものです。

伝統文化が同じ血によって連綿と受け継がれてきたということ自体、
実は錯覚ですからね。
文化は本質的に影響を与え合って混ざるものであり、
純潔主義とは相入れません。
万世一系というのは有り得ないのですよ。

伝統は後からつくられるものです。
純血主義は社会を閉じることに通じます。
日本という純粋な国が続いてきたというのも神話です。
多様な血や文化を受け入れる開かれた社会こそが、
これから力を得ていくでしょう。
「日本だけが素晴らしい」「在日コリアンは出ていけ」というような排他的な言動は、
自分で自分の首を絞めるようなものです。

参考図書「伝統とは何か」(大塚英志著、ちくま新書)
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by MYP2004 | 2005-07-18 00:05 | リビングから見た社会

「スターウォーズ エピソード3」

「スターウォーズ エピソード3」を観ました。
自分のことを棚に上げて言うのも何ですが、
中高年がたくさん観に来ているのに驚きました(笑)。

考えたら、一作目の「エピソード4」が公開された時の若者が、
今やその親の世代ですからね。
たくさん観に来ていても不思議ではありません。
高齢の御夫婦もいるし、本当に多様な層の観客を集めていて、
このブランド力は凄いと思いました。

と共に、「Newsweek」にあった記事を思い出しました。
「スターウォーズ」の成功が、ハリウッド映画の幼稚化を招いたという分析です。
そういう面は否めないですよね。
いい大人が、ライフセーバーを使った立ち回りを観ているわけですから。
でも、非常に楽しめる作品になっています。
全作品の中で、これが一番でしょう。
最後に話のつじつまが合ったし(笑)。

来日時のインタビューでルーカス監督は、こう述べていました。
「スターウォーズはダース・ベイダーの悲劇をめぐる物語だ」。
確かに、これは悲劇です。

私あたりは、どうしても世界情勢が重なってしまうんですよ。
優秀なジェダイの騎士であったアナキンが、どうして暗黒面に堕ちたのか。
キーワードは「怒り」と「憎しみ」、そして「力」です。
正義のための戦いが、悪そのものの台頭を許してしまったのです。
これは、正義のための戦争がもたらした悲劇ではないでしょうか。

最後に画面に流れるスタッフの名前や協力企業名を観ていて、
これだけのエンターテイメントを生み出した、ハリウッドの底力を感じました。
お金と人材と技術の力で、世界に君臨するアメリカの映画産業。
唯一の超大国が生み出した当代一流のこの大作は、
力を求める悲劇について描きつつ、その圧倒的な力を世界に見せつけています。
何と皮肉なことか。
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by MYP2004 | 2005-07-14 01:50 | リビングから見た社会

左派と右派

昔々の左派、右派

実は、ロシアで「右翼」といえば「共産主義者」のことです。
本来の左派はあらゆる個人主義者、右派はあらゆる体制主義者のことです。

左派 vs 右派
= { 自由主義者, 民主主義者, 資本主義者 } vs { 国家主義者, 民族主義者, 共産主義者 }
戦前の右翼であり、日本最初のイスラム教学者でもあった大川周明が、
レーニン政権の正当性を認知したのは偶然ではありませんでした。


戦後の左派、右派

左派運動の衰退にはあまたの理由がありますが、最大の理由は、
左派運動と共産主義が不健全な癒着状態にあったことです。

戦後の日本では、右派が資本主義者の一部を味方につけ、
左派が共産主義者と結託していました。

共産主義者が資本主義者に破れた結果、左派が勢力を弱め、
その後に共産主義の暗部 — これはもともと右派の問題 — が明らかになるにつれて、
左派はますます衰退していったのです。

一方、資本主義者の大きな富 — これはもともと左派を支援していたもの — を背景に、
右派のほうが勢力を伸ばしているのがこの時代の皮肉なところで、
いわゆる新保守の台頭は時代の皮肉が極端な形で表れたものです。

巨富を成した個人や多国籍企業に対しての、条件反射的な敵意を捨てなければ、
日本の左派にまったく未来はありません。
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by MYP2004 | 2005-07-08 15:55 | 経済の視点から

悪質リフォーム業者の殺し文句

悪質リフォーム商法が次々に摘発されています。
例によって集中的に報道しているのかもしれませんが、
それにしても被害の広がりには驚かされます。
そう言えば、古い家に住んでいる知り合いが怯えていた(笑)

認知症で判断能力が低い高齢者を狙い撃ちにしたり、
断わると管理職までが押しかけてきて脅したり、
ひどいやり方をしていたようです。

また、営業マンの成績がいいと高級車を与え、
逆に成績が悪いと朝礼で平手打ちをしたりしていたと言いますから、
こんな会社をどうして辞めなかったのかと疑問に思いますが、
勤めている会社って、なかなか辞められないものですからね。
まぁそれにしてもという感じですが。

ところで、私が非常に考えさせられたのが、
営業マンが使っていたという次のような言葉。
「家の中心がずれている」「このままではダメになる」・・
これってすごい殺し文句ですよね。
何となく不安になるじゃないですか(笑)

別だん理由ははっきりしないのに不安になる。
よく考えたら曖昧なのに、妙に説得力があります。
こういう悪い事をする人って、ある意味天才的!
強いダメージを与える言い方ですからね。

人間は本能的に、「安心、安全」を求めます。
だから逆のことを言われると訳もなく不安にかられるし、
「大丈夫」と言ってもらえるとほっとします。

今多くの人は、強気の政治家の威勢のいい言葉を歓迎します。
しかしこれは、悪徳リフォーム会社の誘い文句を反転させただけ。
根拠のない威勢の良さであり、よく考えてみたら実体のないものです。

「安心、安全」ほど曖昧な言葉はありません。
そういう言葉を安易に使う政治家は要注意です。
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by MYP2004 | 2005-07-06 13:44 | リビングから見た社会

事故のあった海岸に・・

2001年7月21日、明石市の花火大会見物でごった返すJR朝霧駅と大蔵海岸を結ぶ歩道橋で最悪の将棋倒し事件が起こりました。
この事件についてはまだ記憶に新しく、覚えておられる方もたくさんあるだろうと思うのです。
亡くなった方は子供さんやお年寄りの方が中心で11人、負傷者は185人と言う大事故でした。
実は、このときに群衆の中には僕の親族も家族3人でいて、彼らも、命の危険を感じたそうです。
大蔵海岸はJR朝霧駅南側一帯の、ごく普通のテトラポットや岸壁で作られていた海岸を明石海峡大橋完成に合わせ、新たに造成した人工海岸でした。
明石市としてはこの地で巨大な花火大会を実施し、もって市の威容を誇るべしとの思考だったのでしょうか・・市民が安心して楽しむイベントと言うにはあまりにもお粗末な警備体制や、観客の流れを的確に予想し、自然に多くの観客を安全に流せるような事前の検討が全くでたらめであったことが分かり、警備会社、県警、市の三者が被害者や遺族から提訴されていました。

さらに大蔵海岸では同じ年の12月30日に東京から里帰りしていた方の五歳の娘さんが砂浜の陥没に引きずり込まれて5ヵ月後に亡くなられました。

大事故を引き続いて二度も起こした海岸は、その後閉鎖され、長く再工事を行なってきました。
明石海峡大橋の開通を契機に一気に町おこしへ持っていく筈だった行政の甘い計画は、多くの市民を犠牲にする結果となり、海岸一体はしばらくは開発工事もストップし、都会の中で人の立ち入らない空間となってしまいました。
明石市の市長は辞職し、市は市民との接点を今一度根本から見つめ治す作業の途中にあります。

人の気配がなくなり、渚があるということになると、そこは野鳥の住処と化します。
それも、珍鳥コアジサシが大挙してそこにやってきたのですから、驚きです。
海岸の再工事は終了し、いつでも海水浴場として使えるようになった今年に、これは皮肉か、それとも天からの声か・・とりあえず、明石市はコアジサシが巣立つまでは海岸の開放をしないことを決定・・
今も海岸は見慣れぬ渡り鳥たちの楽園となっています。
8月には彼らも南半球へ帰るだろうと言うことですが、さてさて、そんなに人間の思惑通りに行くものでしょうか?

さて、歩道橋事故の遺族が起こした訴えについて、裁判所はきわめて妥当な判決を申し渡しています。
警備会社、県警、市当局も控訴はしないと断言・・判決は確定される見込みです。
渡り鳥たちは、これで一気に解放へ向かおうとする行政当局の気持ちを知っているのか、のんびりと過ごしているようです。
この小さな鳥こそ、二度の事故で亡くなった小さな子供たちからのメッセージを受け取った使者なのかもしれない・・
いましばらくは、ここはそうっとしてあげようね・・
そんな声が聞こえそうな気がするのですが・・
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by MYP2004 | 2005-07-01 20:02 | 神戸舞子から世間を見ると