2006年 02月 01日 ( 1 )

11年目の神戸

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震災から11年・・昨年もこの時期に現状を書きましたが、1年でさほどの進展は見られず、11年前の被災地やその周囲の景気は沈滞したままです。
百貨店の売上こそ、前年を上回り始めたようですが、鉄道利用客はここ数年横ばい、もしくは減少・・高速道路の利用も同じ状況です。
僕は昨年、久しぶりに東京へ出て、まさにお上りさんになった気分でした。
それは、僕が頻繁に東京へ出かけていた20年ほど前とのあまりの違いに愕然としたというのが正しいのかもしれません。
驚いたのは新宿や渋谷の人の多さ、いや、それどころか、休日の早朝の電車、下り方向への太い乗客の流れ・・
神戸で休日の早朝、例えば姫路方向への電車が満員になるなんて今では考えられない状況です。
そして、夕方の新宿のどこからともなく溢れるように湧きあがり、どこへともなく消えていく人の波・・
こう書けば東京在住の方に笑われるかもしれませんが、自分の住む町を少なくとも都会であると信じ、個性的でお洒落であると誇りに思っている神戸市民も東京へ出ればただの田舎モノに過ぎない・・そう感じたわけです。

しかし、やはり考えてみると震災前の神戸・・アーバンリゾート都市宣言をし、積極的にウォーターフロントを開発し、夢のような大都会を目指していた頃の神戸には、今とは比べ物にならないくらい人が溢れていました。
三宮センター街・・ゆったりとしたアーケード街ですが、ここの路面が見えないくらいの人の波は震災後、すっかり減ってしまい、今やゆったりと歩くことも出来ると言う皮肉な現状・・
あるいは阪急三宮駅北側の飲食店街には夜になると人が溢れ、店の前にはどこも長蛇の列・・人気の店では時間制限をかけられる事もしばしばあると言う・・あの賑わいは神戸からすっかり姿を消してしまいました。

震災から11年・・今月にはついに神戸空港が開港します。
最初に乗り入れる27往復の旅客機は、神戸にどんな賑わいを運んでくれるでしょうか?
けれどもまた、この空港の経営が失敗すると言うことになると、それだけ神戸市民の負担は増大する危険性もはらんでいて、既に分譲地が売れない、あるいは着陸料を値下げせざるを得ない、あるいは駐車料金を無料にするしかないと言った・・誤算は表面化してきています。
三宮から近いとはいえ、神戸空港までは新交通システムで20分弱・・快速の運行もあると言うことですが、それは毎時2本程度・・地下鉄がニュータウンや郊外と直結する新神戸駅の新幹線と比べると利便性にも難があると言わざるを得ません。

震災復興を進めながら、それでもこれだけはと進めた神戸空港・・
そして、ようやく表面上は復興したかに見える町・・
けれども、そのニュースの影で、未だに自分の土地が更地のままで家を建てられない市民や、住宅ローンのほかにマンションや住宅の補修ローンに苦しむ市民は蚊帳の外において行かれようとしています。
家族や親戚、友人をあの震災で亡くした心の隙間は、それこそ埋めることが出来ないものでありましょう。
町の景気は回復せず、震災のあとで苦しみぬいて撤退した地元資本のあとに、威容を誇る中央資本のビル・・
神戸らしさが失われて当然の、中央資本による復興か進出か分からない・・現在の人目では復興・繁栄に見える状況の中・・震災被災者は置いてけぼりを食い、昨年の偽装マンション住民には震災被災者に比べることも出来ない手厚い公的補助・・
神戸の繁華街が震災前の人並みを取り戻すことは出来るのだろうか・・・
ただの地方都市・・何もかも東京と似た町になっていく神戸市民としては複雑な心境ではあります。
震災は今や1月17日だけの物語として、その日だけのものとして記憶されるようになっていくのでしょうね・・
byこう@電車おやじ
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by MYP2004 | 2006-02-01 10:15 | 神戸舞子から世間を見ると