2005年 10月 21日 ( 1 )

通勤電車の蛍光灯カバーの話

テロ対策で変わってしまう関西の伝統

関東と関西の電車の内装で大きく異なる部分をご存知でしょうか?
もちろん、それぞれに例外もあります・・

答えは「蛍光灯カバー」なんですよね。
関東の電車は一般的にJRも私鉄電車も地下鉄電車も蛍光灯は剥き出しに取り付けてあります。(京浜急行にはカバーのついた通勤電車もあります)
蛍光灯の照度を落とさず、車内を出来るだけ明るくするにはこの方法が良いのですが、蛍光灯とはいえ、ずっと見つめていると目が痛くなることもありますし、例えばスキー板や剣道の竹刀などのような長いものを持って乗られたお客が、不注意に蛍光灯を割ってしまうこともあります。
それに車内の見つけも蛍光灯が剥き出しだと、やはり無粋になってしまいます。

関西では私鉄各社が伝統的に(電灯的?)蛍光灯にはグローブと呼ばれるアクリル製の蛍光灯カバーをつけていました。
関東でも有料の特急電車や新幹線には同じようなものがついていますね。
関西の私鉄は戦前からスピードとサービスで競い合ってきました。
電車の内装も阪急は飛びぬけて上等なつくりで、京阪、阪神も細かな部分にまで気を使い、およそ通勤電車とは思えぬ上質の室内空間になっています。
更に、実用本位の設計だった大阪市営地下鉄やJRも私鉄各社を見習い、上品なインテリアデザインとなってきました。
そのなかで、蛍光灯のカバーは、一時期これを取り外した南海や山陽も含めて、取り付けが成され、関西の電車の、関東とは違う雰囲気を出すのに一役買っています。

ところが、こう言った関西の伝統に横槍が入ってしまいました。
韓国での地下鉄火災です。
日本では北陸トンネル事故以来、鉄道の難燃化、不燃化は徹底されていて、事が起きても大惨事になる可能性はこれまでは低かったわけです。
ところが、車内にガソリンを撒かれたり、爆発物を持って乗車されると言うことが世界的に懸念される状態になると、日本の鉄道の不燃化も更に押し進めねばならなくなります。

ここで、その槍玉に上がったのが蛍光灯カバーでした。
多くの蛍光灯カバーはアクリルですから可燃物なわけです。
消防庁の指示は、新型車両から見直せというものでした。
そこで、現実に火災事故を起こし、被害を出した近鉄東大阪線と、それと直通運転する大阪市の中央線の車両については蛍光灯カバーのないもので造られることになったほか、伝統を重んじる阪急は蛍光灯カバーを省略する代わりに間接照明を採用し、消防庁の指示に従うことになりました。(通勤電車で間接照明というのも凄いことですが・・)
今後は、電車室内の蛍光灯のカバーは、関西でも無くなっていくか、それとも、阪急のように天井構造に工夫を凝らすか、あるいは強化ガラス製にして不燃化するか・・

関西の鉄道伝統のアイテムも、時代がきな臭くなることにより、少し変化することになってきたわけです。
鉄道・・なかでも私鉄電車は平和な時代であることが前提で存在しています。
その私鉄電車が設計を変更し、伝統を見直すことになる理由が「テロに対する対策」なわけですから、もしかしたら時代は少し悪い方へ進んでいるのかもしれません。
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by MYP2004 | 2005-10-21 15:35 | 神戸舞子から世間を見ると