2005年 07月 26日 ( 1 )

ロンドン警察、無関係なブラジル青年を誤認射殺

ロンドンで、テロとは無関係なブラジル人青年が誤認射殺されてしまいました。
その青年は制止を振り切って地下鉄に乗り込んだために、
至近距離から5発撃ち込まれました。
ジーンズ姿の私服警官に追いかけられて、
パニックになったのではないかと言われていましたが、
実は不法滞在だったらしいですね。
そんなことではないかと思っていたのですが。
大変な悲劇で声もありません。

この事について、みのもんたがテレビで「射殺は当然」だと言ったそうです。
そう考える人も多いでしょう。
イギリスでもそうらしいです。
下手に「人権」などと言ったら「テロに屈するのか」と言われる御時世ですから。

多くの人は恐らく、無意識のうちにこう考えているのだと思います。
「自分と家族を守るためには、多少の犠牲は仕方がない」と。
そこには、「自分は安全圏にいる」という前提があります。
果たしてそうでしょうか。

イギリスでそう考えているのは主に白人だと思います。
誤って射殺された青年は当初、南アジア系と報道されていました。
実際にはブラジル人だった。
つまり、白人には区別がつかなかったわけです。
色が浅黒いだけで容疑者になってしまう。
テロを恐れていた青年が射殺されるという悲劇は、こういう状況の中で起きました。
イギリス在住の非白人にとっては他人事ではないわけですね。

では、イスラム教徒に間違えられる心配のない白人は本当に安全圏にいるのか。
問題はここです。
ブレア警視総監は「射殺方針は変えない」と言いました。
「疑わしきは罰する」
これは、長い時間をかけ多くの犠牲を払って築いてきた、
近代社会の大原則を否定するものです。
絶句して当然の大問題です。
それを当たり前のように言うなんて、
いくら何も考えていないと言っても軽卒過ぎますよ。

自分は安全圏にいると思って言いたい放題言っていると、
回りまわって自分に還ってきます。
自由や人権は少数者から奪われていきます。
それはやがて社会全体に広がるというのが、歴史の教訓です。

それにしても、大義なきイラク戦争のもたらす惨禍は止まるところを知りません。
この事態を招いたのはイラク戦争の容認です。
私たち日本人は、もう一度ここから考えるべきでしょう。


 
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by MYP2004 | 2005-07-26 22:40 | リビングから見た社会