ニコンに見る漸進主義という考え方

2005年5月11日(水)

--------------------------------------------------------------------------------


ニコンに見る漸進主義という考え方

世の中は全て使い捨て、効率至上主義・・昨日の新製品は明日にはもう時代遅れ、昨日までの考え方は明日にはもう使えない、というのが現代日本の姿だろう。
日本の企業にも同じようなクセというものがあるようにも思う。
けれども、一部の企業では常に過去と向き合い、過去をたたき台として、顧客とともに次に進む方針を取っているところもある。

ニコンは良く知られたカメラメーカーだ。
ギネスブックにも載り、世界最高峰のカメラシステムを有する会社の一つとしての地位を確固としたものにしている。
この会社は元々は光学製品、特に軍需用の良質な光学製品を国産で供給するために1917年、三菱グループの一つとして設立された過去を持つ。元の社名は日本光学だ。
戦後、軍事産業が解体される中、民生用の小型カメラなどに活力を求めて、カメラを作ってきた。
カメラメーカーとしては後発の部類に属するかもしれない。戦前には日本光学のレンズはあってもカメラはなく、ライバルキャノンが産声を上げた時に、この会社のレンズを使ったのは有名な話だ。
1948年からカメラを発売、当時、朝鮮戦争の取材でニコンのカメラはアメリカのカメラマンからその耐久性、レンズの優秀さなどで高い評価を得、世界的な製品へと飛躍する。
このニコン製品には大きな特徴がある。それは必ずといってよいほど、新製品とその前の製品にはレンズやアクセサリーなど、互換性があるということだ。
そしてそれは1959年のニコンFから現代のデジタルカメラD2Xにまで連綿とつながっている。(最もさすがに最新型では過去のレンズにも制限が出てきてはいるけれど・・)
設計側としては過去を考えない製品のほうが出しやすいだろう・・けれどもあえてこの会社は過去のユーザーをなるべく裏切らない形で製品の供給を続けてきた。
いわば、岩登りのようなものだろうか・・身体の3点は動かさず、残りの1点で前に向かう。順に一つずつ動かす点を変えることで全体として上に上っていくというやり方である。
これで新製品で一気に置き換える他社と肩を並べ、その上を行くのだから、しんどい道ではある。
よく考えると、一気に革新というのは理想だけれども、やはり人間に過去のしがらみは捨てられない。
一つずつ・・過去を意識しながら進む・・案外、こう言う方法が良い意味での人生を象徴し、私達の運動の進め方にも共通するようにも思う。
[PR]
by MYP2004 | 2005-06-23 15:00 | 神戸舞子から世間を見ると
<< 銃を撃つ女はカッコいいか?! 安全と言うこと、人に優しいということ >>