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「塾講師、生徒を刺殺」事件の複雑な背景

京都で、大学生のアルバイト講師が塾の教室で生徒を刺殺しました。子どもが被害者になる悲惨な事件が相次いでいるだけに、「今度は塾で」「塾までもが」という衝撃が広がっています。本当に絶句ですよね・・・。

実際には、塾を舞台にしたトラブルはしばしば起きていました。今までは学校での事件の陰に隠れていただけで、全くの想定外ということはなかったのです。この事件は、講師の個人的資質にのみ原因を求めるのではなく、多様な視点から見ることが必要だと思います。

実は私、日能研のリュックを背負った子どもたちが、夜の10時頃に電車に乗っていたり、コンビニでアダルト雑誌を立ち読みしていたりしているのが、以前からすご〜く気になっていたのですよ。

大学生の二人の娘も、「ああいう生活、良くないよね。だいたい危ないし」といつも心配しています。(日能研は、首都圏に広く展開している、中学受験のための塾です)

夕食はどうしているのでしょう。お弁当を持っていったり、帰ってから食べたり色々らしい。中には、近くのマクドナルドと提携している塾もあるそうです。

近所でこの春、一人の少年が中学受験に成功しましたが、塾へ行く日は母親がお弁当と着替えを持っていき、中野の丸井で急いで食べさせて着替えさせ、塾へ送り出すという生活でした。それが5年生になるとほぼ毎日でしたからね。

「食育」とか何とか言いながら、塾通いによる食生活への影響はあまり話題にならないのね〜。何か、話がいつも「家庭」と「母親」に収れんされるようで、納得がいきませんが。

それと、小学校高学年という難しい時期の少女を、大学生がどこまで指導できるのかということも、日頃から気になっていたことです。

「現役高校生のための塾」で急伸している早稲田塾は、広告に力を入れる分、講師料を削って大学生を積極的に雇用していますが、高校生と大学生というのも微妙な距離ですから。気をつけないと。こういうことも「危ない」と囁かれながら、何か事件が起こるまで放置されるんでしょうね・・・。

また今回の事件は、女の子の口達者を軽くかわせない不器用さや、プライドの高さも一因となっていたのではないかと思われます。塾講師に多いこういう秀才タイプの共通点も、これからは考えていかなくてはならないでしょう。

というふうに、様々な要因が絡んでいると思われる今回の事件。再発を防ぐためには、多角的な分析が必要だと思います。  by G2
by MYP2004 | 2005-12-13 22:20 | リビングから見た社会
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